銘柄分析:プロシップ(3763)の理論株価-21年8月

プロシップ(3763)は固定資産管理ソフトウェア「ProPlus」を主力とするソフトウェア会社です。固定資産管理に特化し、さらに資産件数が多い大企業(年商500億以上)をターゲットとしています。 プロシップの理論株価をDCF法を用いて計算しました。2016年3月期から2021年3月期までの6年間のデータを用いています。

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財務諸表分析

21年3月期のバランスシートを示します。 現金約80億円のうち30億円(約35%)は定期預金とさすがに無駄に眠らせすぎではないかと思われます。

2021年3月期のバランスシートと損益計算書

キャッシュフローの推移をグラフに示します。フリーCFはプラスで推移しており安定したビジネスとなっています。17年3月期に投資CFがプラスなのは、約10億円の定期預金の払い戻し、18年3月期に投資CFのマイナスが大きいのはそれの定期預金への預入れになります。

キャッシュフロー推移

フリーキャッシュフローの算出

DCF法の計算で用いるフリーキャッシュフローの算出について示します。のれんの償却はないので、EBITAは営業利益となり、NOPLAT(みなし税引後営業利益)は営業利益から営業利益に対する税金を差し引いて算出しています。営業利益に対する税金は、有価証券報告書に記載の実効税率を用いて、支払利息による節税額をプラスし、受取利息・配当金・その他営業外損益・特別損益に対する税金をマイナスして求めています。

プロシップのNOPLAT

2016年3月期から2021年3月期までのバランスシートをまとめたものを示します。事業用現金は売上高の2%としています。

プロシップのバランスシート

NOPLATに減価償却費と足し戻しグロスキャッシュフローを求めます。次に、営業運転資金の増加額、その他営業用固定資産の増加額、設備投資額をグロス投資額として求めます。設備投資額は有価証券報告書に記載の値を用いています。グロスキャッシュフローからグロス投資額を引いてフリーキャッシュフローを求めています。5年平均のフリーキャッシュフローは808百万円となります。

プロシップのFCF

DCF法による理論株価

ここでは将来予測は行わず5年平均のフリーキャッシュフローの値を用います。5年平均のフリーキャッシュフローをWACCで割り引いて事業価値を求め、非事業用資産を加えて企業価値とし、有利子負債を差し引いて株主価値を求めます。それを直近の発行株式数(除く自己株式)である15,383,800株で割って1株あたりの理論株価を求めています。WACCは1~10%で割り引いた値を示しています。

プロシップの理論株価

プロシップのWACCは約5%ですので( 銘柄比較:会計ソフトウェア銘柄WACC-21年7月 )、理論株価は1,657円となります。2021年8月20日の株価は1,527円となっているので、概ね現在の株価はDCF法に基づく理論株価と一致しています。ただし、今回の計算では過去のフリーキャッシュフローの値を用いているので、将来的な事業の成長を考慮したフリーキャッシュフローを用いれば理論株価はもう少し高くなると思われます。

まとめ

2016年3月期から2021年3月期までのデータを用いて、DCF法による理論株価を算出しました。5年平均のフリーキャッシュフローは808百万円であり、WACCを5%とした事業価値は16,169百万円となります。これに非事業用資産を加え、有利子負債を差し引き、株式数で割った1株あたりの理論株価は1,657円となります。 将来的な事業の成長を考慮したフリーキャッシュフローを用いれば理論株価はもう少し高くなると思われますので、現在( 2021年8月20日)の株価は1,527円は割安と言えるかと思います。

無駄に眠らせている定期預金を株主還元に回してくれるなら間違いなく割安だと思いますが・・・

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