銘柄分析:PCA(9629)のDCF法による理論株価-21年9月

PCA(9629) は企業向けの会計・販売管理用パッケージソフを主力とするソフトウェア会社です。PCAの理論株価をDCF法を用いて計算しました。2016年3月期から2021年3月期までの6年間のデータを用いています。

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財務諸表分析

21年3月期のバランスシートを示します。現金を多く保有しています。また、投資有価証券を除けば固定資産はここ数年は減少傾向となっています。固定負債は長期前受金と退職給付引当金です。

2021年3月期のバランスシートと損益計算書

キャッシュフローの推移をグラフに示します。フリーCFはプラスで推移しています。

キャッシュフロー推移

フリーキャッシュフローの算出

DCF法の計算で用いるフリーキャッシュフローの算出について示します。NOPLAT(みなし税引後営業利益)はEBITAからEBITAに対する税金を差し引いて算出しています。EBITAに対する税金は、有価証券報告書に記載の実効税率を用いて、支払利息による節税額をプラスし、受取利息・配当金・その他営業外損益・特別損益に対する税金をマイナスして求めています。

 2016年3月期2017年3月期2018年3月期2019年3月期2020年3月期2021年3月期
売上高8,4419,3609,78611,43914,26613,309
売上原価(除減価償却費)3,4353,5953,8084,5205,5305,268
販管費(除減価償却費)4,2764,2334,4405,2025,6965,565
減価償却費14113011292111122
無形固定資産償却費45696361937711628
のれん償却費927003212
退職給付利息844455
EBITA1424438111,2532,8182,331
NOPLAT-252185599181,9011,685
PCAのNOPLAT[百万円]

2016年3月期から2021年3月期までのバランスシートをまとめたものを示します。事業用現金は売上高の2%としています。 固定資産は投資有価証券を除けばここ数年は減少しています。

 2016年3月期2017年3月期2018年3月期2019年3月期2020年3月期2021年3月期
非事業用現金及び現金等価物6,4437,3008,0738,55110,70211,783
事業用現金(売上高×2%)169187196229285266
受取手形・売掛金1,4361,5581,7102,2951,9852,013
棚卸資産4761111103132187
その他の流動資産3454786368611,003979
流動資産合計8,4409,58410,72512,03814,10715,228
       
償却対象固定資産合計3,4463,3542,8242,8633,0203,070
減価償却累計額1,8912,0191,7531,8111,8781,894
その他有形固定資産2,7942,6872,4002,3722,3722,372
有形固定資産合計4,3494,0223,4713,4243,5143,547
       
無形固定資産95862945520572272
投資等2,1072,2832,6904,4225,2756,329
固定資産合計7,4146,9346,6158,0518,86110,149
       
資産合計15,85416,51817,34020,08922,96825,377
       
支払手形・買掛金2,0562,0672,3652,9143,2913,485
その他の流動負債1,2401,7561,4462,4932,8162,364
流動負債合計3,2973,8233,8115,4076,1075,849
       
退職給付債務1,0811,1481,2331,2451,3551,428
その他の固定負債6246949311,4421,8852,104
固定負債合計1,7051,8422,1652,6873,2403,532
       
負債合計5,0025,6655,9758,0949,3479,381
       
資本金890890890890890890
資本剰余金1,9191,9191,9191,9191,9291,959
利益剰余金8,7848,7338,9629,65511,26512,574
自己株式-1,039-1,039-1,039-1,399-1,394-1,379
その他の包括利益累計額1832445348388021,787
非支配株主持分等1151069991129163
純資産合計10,85210,85311,36511,99513,62115,995
       
負債・純資産合計15,85416,51817,34020,08922,96825,377
PCAのバランスシート[百万円]

NOPLATに減価償却費と無形固定資産の減価償却費を足し戻しグロスキャッシュフローを求めます。次に、営業運転資金の増加額、その他営業用固定資産の増加額、設備投資額をグロス投資額として求めます。設備投資額は有価証券報告書に記載の値を用いています。グロスキャッシュフローからグロス投資額を引いてフリーキャッシュフローを求めています。5年平均のフリーキャッシュフローは2,273百万円となります。

 2017年3月期2018年3月期2019年3月期2020年3月期2021年3月期
NOPLAT2185599181,9011,685
減価償却費13011292111122
無形固定資産償却費96361937711628
グロスキャッシュフロー1,3111,2911,3872,1271,835
      
営業運転資金の増加-240381-761-782297
設備投資-89-15273200155
その他営業用固定資産の増加-506-698-788-576-19
グロス投資額-746-470-1,477-1,158434
     
フリーキャッシュフロー2,0561,7602,8633,2851,401
PCAのフリーキャッシュフロー[百万円]

DCF法による理論株価

ここでは将来予測は行わず5年平均のフリーキャッシュフローの値を用います。5年平均のフリーキャッシュフローをWACCで割り引いて事業価値を求め、非事業用資産を加えて企業価値とし、有利子負債を差し引いて株主価値を求めます。それを直近の発行株式数(除く自己株式)である6,666,400株で割って1株あたりの理論株価を求めています。WACCは1~10%で割り引いた値を示しています。

WACC事業価値[百万円]企業価値[百万円]株主価値[百万円]理論株価[円]
1%227,325245,438244,01036,603
2%113,663131,775130,34719,553
3%75,77593,88892,46013,869
4%56,83174,94473,51611,028
5%45,46563,57862,1499,323
6%37,88856,00054,5728,186
7%32,47550,58849,1597,374
8%28,41646,52845,1006,765
9%25,25843,37141,9436,292
10%22,73340,84539,4175,913
PCAの理論株価

PCAの有利子負債残高から余剰現預金を差し引いた純有利子負債残高は-10,355百万円となります。有利子負債金利は1.3%ととします。最近の株価約5,500円から時価総額は36,665百万円となります。有利子負債と株主資本の割合は、マイナスの純有利子負債残高(余剰現預金をたくさん持っている)分を考慮に入れています。リスクプレミアム金利は5.5%として、CAPMは3.91%となります。実効税率は過去5年平均を使用し、WACCは5.1%となります。

PCAのWACC

上記からPCAのWACCは約5%となるので、DCF法による理論株価は9,329円となります。21年9月6日の株価は5,450円となっており、この理論株価と比べると割安な水準となっています。

まとめ

2016年3月期から2021年3月期までのデータを用いて、DCF法による理論株価を算出しました。5年平均のフリーキャッシュフローは2,273百万円であり、WACCを5%とした事業価値は45,465百万円となります。これに非事業用資産を加え、有利子負債を差し引き、株式数で割った1株あたりの理論株価は9,329円となります。ここ数年固定資産が減少しているので投資額がマイナスで出てしまい、その分フリーキャッシュフローは大きくなっているところが少し気になります。現金はたくさん持っているので株主還元に回してくれればと思います。

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